昨年の夏から、早朝時間を作って自転車で運動するようになりました。
もちろん、冬期間はお休みして、春から再開しています。
雨の日も無理せずお休みして、だいたい週に3~5回ぐらいのペースです。
おかげさまで、体調は非常によろしくて、やはり運動するコトにより体を心に与える影響は無視できないなぁ、と実感しています。

健康維持には過酷な現代環境



その一方で、現代社会の何と運動する機会に乏しいのか、というコトも感じます。
移動は、都会であれば電車・バス、秋田のような田舎では、ほぼ車です。
本来であれば、一番の運動機会である移動は、体にとって最も退屈な時間になっています。

肉体労働者以外の、オフィスワーカーに至っては、仕事の大半がデスクワーク。
外回りがあれば多少は動きますが、それに至っても移動は車。

それでいて、ストレスに晒される仕事を持つ人が多く、食と酒は過剰になり気味。
健康な状態を維持するには、あまりにも過酷な環境です。

日本国憲法の25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とありますが、こと健康に関しては、自らその権利を放棄しているようなものです。

どうしてこんな状況になっているのか、ここらで少し考えてみた方がいい頃合いです。

テクノロジーの恩恵



日本に限らず、人間はテクノロジーの恩恵を存分に享受した社会を形成してきました。
先の移動手段にしても、なるべく楽に、遠くに、早く移動できるようにはなりましたが、代わりに生物的な移動能力は失われ、必要最低限の筋力しか持たない体になってきています。

労働にしても、テクノロジーによる機械化・IT化が進み、効率的、省力化が進みました。
今までと同じ労力で成果を増やしていく効率化は大きく生産性を向上させてきましたが、もともとそれほど成果を必要としない分野においても省力化が進み、労働量そのものが減っていった結果、やはり生物的な意味での筋力の衰えに拍車をかけています。

そして、食事にしても、テクノロジーによる農業の生産性向上と、流通システムの整備で、好きなモノを好きなだけ食べられる現在の社会では、やはり体の中に余分なモノ(主に脂肪)を溜め込みがちです。

そうして衰えた体が病気になった場合、やはりこれも医療技術というテクノロジーの向上によって、多くの病気を治療することが可能になりました。
ただし、医療技術は、病気は直してくれますが、体を鍛えてくれるわけではないですので、生物的には相変わらず衰えた体のままです。

テクノロジーの恩恵で体を衰えさせ、テクノロジーの恩恵で病気を治す。
何から何までテクノロジー。
ここまでくるとテクノロジーの「恩恵」というより、テクノロジーの「呪縛」もしくは「奴隷」です。

健康と運動を取り戻す



現在の人は、体に負荷をかけるコトを嫌います。
学生時代は、どれほど授業や部活で運動していた人でも、いざ社会に出ると運動はなるべく遠ざけるようにするのが普通です。
一日の中で運動に時間を割くような習慣を持っている人は稀です。

おそらく学校教育の中での、運動の活用方法が根本的に間違っているのでしょう。
体を動かすコトの楽しさよりも、厳しいトレーニングによる目的の達成を優先しているように思います。
特に団体競技はその傾向が強いと言えます。
本来、体を動かして健康状態が維持されることは、非常に楽しくて幸せなことのはずなのに、その目的を大会や競争で成果を得るための一手段としてしか教えていない弊害だと思います。

こうした環境で育ってきてしまった我々は「健康」な生活を取り戻すためには、まず「楽しい運動」を取り戻さないといけません。
病院に行って薬を飲んで「健康」な生活は送れません。

運動に対してのインセンティブ



さて、ここまで書いて、はたと困ってしまいました。

楽しい運動を取り戻すと言ってはみたものの、現実的に何か有効な施策があるかと言われると、実はあまり思い浮かびません。
書いている本人は、毎朝自転車で運動することが、めちゃくちゃ楽しいのですが、これを他の人にも勧められるかと言われると、いまひとつピントきません。
これは、自分の中に自転車による、健康へのインセンティブが明確にひもづけられているから。
おそらく、他の人はそうではないでしょう。

本来であれば、健康であるというコトは、医療費の抑制や、医療保険の運営に多大な貢献をしているので、何かしらのインセンティブがあっていいと思うのですが、現状何もありません。
例えば自動車保健の等級のように、一年間医療保険を使わなかった人に対しては、翌年の医療保険の5%ずつ割引していくとか。
保健利用の多い人の負担を増やすのはやりすぎですが、今や健康は努力なくしては維持できないものになっている事実がありますので、その努力に対しての報酬はあっていいかと思います。

正直な話、日常的な運動を導入するにあたって、最も効果が高いのは自転車だ、という考えはあります。
時間も場所も選ばず、運動負荷を自分に合わせて簡単に調整でき、ランニングに比べても足腰への負担が少ない。
水泳も非常によい運動ですが、これは近くに通年のプールがないと実現できません。
幸か不幸か、男鹿のような田舎では車の交通量も比較的少ないため、自転車で運動するには向いている土地です。そして、自転車乗りの方々は知っていますが、男鹿は多彩なコース(フラット、アップダウン、ヒルクライムなど)が揃っており、その意味でも向いています。

例えば、スポーツタイプの自転車の購入に対して補助を出す、というのも運動をするためのインセンティブになります。
運動に適したスポーツタイプの自転車の最低ラインは、およそ5,6万円程度とすれば、その半額程度の補助はしてあげていいのかと思います。
男鹿市では、さきごろ運動公園に、新しいサッカー場が作られました、事業予算が3億5000万円とか。

サッカー場が必要かどうかといった議論はこの場でいたしませんが、先ほどの自転車補助を一人あたり3万円としてみれば、11,667台分の自転車購入に補助を行えます。
サッカー場で運動する人は、サッカー愛好者(部活動含む)に限られますし、それも多くても1週間に1回あるかないかの頻度でしょうが、自転車であれば、自宅からいつでも運動することが可能です。
市民に運動機会を作るという意味だけでみれば、サッカー場の建設よりは、自転車購入補助の方が、優れた成果をあげるだろうとは思います。

とはいえ



こうした結びはあまりするべきではないと思いますが、上に書いたことは、架空の、仮説の、もし、IFの話であって、現状全くそういう政策が行われる見込みはありません。
実現するには、もっと市民側に明確に「健康な暮らし」への要望が強まらないといけないとは思います。
現状、「健康な暮らし」への回答は、病院であったり、薬剤投与であったりしますが、それは決して「健康な暮らし」とは言えません。

本当に健康な暮らしをするには、私たちはテクノロジーに寄りかかりすぎているように思います。
「テクノロジー」と「健康」に関して、もっとバランスのとれたライフスタイルを取り戻す必要があります。
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