このテーマはホントに深刻な問題になってきたのを、このごろ感じます。
高度経済成長からバブル期を駆け抜けて、おおいに稼いだ世代が、ちょうど現役世代を引退しようとする今、今後数年でこの問題は顕在化するのは間違いないです。

世代間負担の悪夢



年金や介護、高齢者医療といった、日本の高齢者に向けた施策のほとんどは、各世代の、人口やGDPが右肩上がりになることを前提とした設計になっています。
年金にしても、世代間負担方式ですから、お年寄りの年金は、若い世代の国民年金、厚生年金の保険料から支払われます。
決して、お年寄りが積み立てていたお金を取り崩しているのではないのです。

残念なことに、現在の若者世代は、人口的にも、経済的にも、全てのお年寄りの年金や医療費を支えきる能力はなさそうなのが、はっきりしてきました。
なにしろ、年金をはじめとした社会保障費は年1兆円ペースで増え続けていながら、それを賄う社会保険料収入は横ばいのまま。
不足分を補うために国や自治体の税金から予算が使われるわけですが、その額がすでに30兆円規模と、もうどうしようもない金額です。
国庫の1/3が、年金や医療費に消えていく状況で、ここ数年、国は40兆円規模の借金(国債発行)を繰り返しています。

この状況が何年も持つわけがないなんて子供でもわかることですが、一向に改善される様子はないのが、今の日本。


・年金や医療費を受け取っているのは、お年寄りの世代。

・現役世代は、保険料を払うだけでなく、将来の借金(国債の返済)をも背負わされています。


正直、この事実だけで、かなり不公平な仕組みになっているのがわかります。
お年寄り世代にとっては、このよい環境を変えたくはないでしょうが、若者世代にとっては今すぐにでも変えて行きたい状況です。
国が国なら、デモや暴動どころか、革命が起きてもおかしくないレベルです。

こうした施策がいつまでも続く理由は単純で、為政者は選挙で投票してくれる人だけを見ていて、選挙の投票率が高いのはお年寄りです。
いきおい、お年寄りのための政策を、可能な限り続けないといけない、という、言ってみればあたりまえの理由です。
まず、若者の投票率を向上させるところから、という方もいらっしゃるのでしょうが、コトはそんな悠長なコトを言ってられないのは明白です。今のペースで社会保障費が増え続けたら10年後には、税収(国債除く)を社会保障費が上回ります。

そこまで行ったら、ほんとに国がひっくり返るだけの暴動や革命が起きてもおかしくありません。

どう変えていくか



この国の仕組みを変えていく必要があるのは間違いありません。
問題は、どう変えていくか。
どうのようになら、変えられるか、それを真剣に探っていかないといけません。

お年寄りの中でも現役時の稼ぎのよかった世帯は、夫婦二人で悠々自適に暮らしている、というパターンはかなりの数にのぼります。
こうした世帯に年金の支給を止める、というと相当な反発で、待ったなしの今の状況でとれる施策ではありません。

こうした余裕のある世帯には、若い世代(もちろん経済的に苦しい状況)の人を養ってもらうとうのは、ひとつの施策です。
現実、自分も含めて、実家に帰れる人間は、実家に帰って生活することで、住居費、食費が相当助かります。
実際、持ち家にとっては家族が一人増えたからといって、かかる費用が倍増するわけではないので、社会全体で見てもコスト削減につながります。
もちろん、知らない人間を家の中になど入れたくない、という思いはあると思いますので、実際に若い世代を家(もしくは手持ちの住居)に住まわせるか、そのための実費を直接支援するか、は選択のオプションがあっていいと思います。

余裕のある人間が、余裕のない人間を支援する



この考え方は、シンプルにして強力な解決策の一つだと思っています。
世代だけに限定せずとも、経済的な不均衡を援助する仕組みはあってしかるべきだと思います。

その人間が、経済的に稼げるかどうかは、本人の努力意外の様々な要因があるはずです。
ですが、かつての高度成長期やバブルを経験した世代にとっては、経済的な成功のハードルがかなり低い位置にあったために、稼げない人間はすべからく努力不足という認識に陥りやすいのが現実です。

往々にして、大成功を収めた次の世代は、前世代の前例に従いながら小成功ぐらいなら収められるかもしれません。
ですが、さらにその次の世代となると、既にビジネスの世界のメソッドも環境も変わりすぎていて、前例はもう役に立たないレベルにまで風化します。
今の若者世代は、まさにその状況に陥っているのです。
前例のない時代に入ったことで、もがきつつも、次の世界を切り開く努力をしてる若者も数多くいます。
もちろん彼らの努力だけに任せるのもひとつの方法ですが、それだけでは不足が生じることが分かっているなら、先に手を打つべきであるのは明白です。

どの世代が悪いのなんのと言うことはあまり意味もなくて、少なくとも、日本の高齢者福祉の仕組みが世代間負担であるうちは、お年寄り世代が、社会に対して援助や支援を行わなければ、自分たちの未来にとってもマイナスの影響が出ることは意識すべきです。

年配の方々からは「俺らは老い先短いし関係ねぇ、好きにやれ」的な発言が聞こえることがありますが、老い先短いから、次の世代とのつながりを持つことに重大な意味があることも理解して欲しいです。
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