基本的にネットでの言説は、直接対話に比べると、乱暴で、一方的である、というのは限定的ではありますが自分の持論です。

自分はたまたまIT・インターネットという世界でのキャリアが長く、インターネットが普及する前のパソコン通信の頃から、この世界に浸っています。
その意味で、近年のスマホの普及でネットのやりとりを始めた方々とは、ちょっと認識にズレがあるんだろうなぁ、というのは最近ちょっと感じます。
もちろん、自分の方の認識が、世間一般からはズレている、という認識です。

不毛なネットの言説



ネットでの言説で、一番問題なのは、通常は時間的制約が全く設けられないということ。
どんな言説であれ、十分に時間があれば、如何ような反論も組み立てられます。
真正面から反論することもできれば、揚げ足を取ることもできます。
わざと相手の言説を曲解することもできますし、ただただ誹謗中傷合戦に持ち込むことだってできます。
何より、論を結ぶまでの時間が設定されていない以上、やろうと思えばエンドレスで続けられるため、このあたりで話を落ち着けよう、という落とし所の探り方が非常に難しい。
たいていは、どちらかが疲れるか、諦めるかして、話から降りたあたりで、残った方が論破した、という錯覚にとらわれて話が消えていきます。
ある意味とても不毛です。

無視できないネット言説



とはいえ、このご時世にネットでの言説を無視して生きていくというのも、かなり勇気のある生き方になってきました。
マスメディアによらない、情報発信、情報収集の有用性は言うに及ばす、自分に対しての評価を確認するためのツールとしても、ネットは欠かせない存在になりつつあります。
自分の世代は、ネットのある時代と無い時代の両方を見ているので、そのあたりの両面を鑑みることができますが、生まれた時からネットが存在していた世代は、その区別は曖昧で切り離して考えることも出来ないと思われます。

そうした世代の人に、ネットの言説は乱暴なのだから相手をしないように、というアドバイスを送るわけにはいきません。
自分を世界から切り離しなさい、というに等しいコトですから。

上に書いたような特徴があることは踏まえた上で、折り合いの付け方を工夫していくしかないのだと思います。
そうした世代が、今後どんどん増えていくわけですから、上手に折り合いをつけるスキルを身に付けるのは必須です。

テキストベースのやり取りの難しさ



ネットでの言説はblogやSNSが中心ですが、やはりネックになるのはテキストベースであること。
つまり文章力の多寡が表に現れます。
これは良い意味でも、悪い意味でもです。

文書力自体は経験を積んで高めていくしかないスキルなのですが、残念ながら日本人の多くが、文章を書くという作業からは遠ざかっている人がほとんどです。
短く褒め言葉を並べるだけなら特に問題ないと思いますが、それなりに問題を指摘しようとすると、文書力のスキルがないと必要以上に攻撃的な文章になったり、本来の意図が伝わらなかったりすることはままあります。

そうした文章を目にした場合、指摘された側にすると、その攻撃的な部分に目がいってしまい、本来指摘を行いたかった部分は脇に寄せられてしまいます。
これは書き手にとっても、読み手にとっても不幸なことで、できれば避けたいケースです。

隠し事のできない世界



また、blogやSNSではオープンな場で言説が行われうために、指摘を受けた側にとっては、何もこんなオープンな場で指摘しなくても…という意識があると思います。
しかし、これに関しては、諦めて応対していくしかありません。

今の時代、あらゆる評判はネット上でオープンにやり取りされます。
いわゆる口コミなどはその最たるもので、どんなに立派なホームページやメニューを揃えても、味や接客が悪ければたちまち悪い評判が広がります。
また、表面的なサービスに満足しても、店の裏にゴミが散乱してたり、従業員を搾取的に酷使したたり、というコトが知られれば、やはり悪評がネット上に広がっていきます。

あらゆる意味で、隠し事はできなくなりました。
特に人に対して行ったコトは、それが外部(客)に対しても、内部(スタッフ)に対しても、誰もがネットに情報をあげられる時代になりましたので、そこからの情報が広がるのを防ぐ手段もありませんし、ここはそれを踏まえた上で行動するよりありません。

書き手と読み手のリテラシー



書き手としても、受け手としても、上手くネット上の言説に付き合っていく必要があるのだと思います。

書き手側としては、文章に必要以上に攻撃的な内容がないかを慎重に吟味しないといけません。
あまりに平素な文書だと毒にも薬にもならないモノになるので、その辺のさじ加減には注意する必要がありますが、ここはスキルを磨いていくしかありません。

読み手側としても、文章の表面的な部分に囚われずに、本質的に何を指摘されているのかを読み解くことが求められます。
感情的な反応をすることなく、指摘された内容を有益な部分だけ析出できれば、自分にとってもメリットになります。

自分としては、今は書き手側として、この世界に関わっていますので、こうした特徴を踏まえた上で、有益な情報を出せるようにスキルを磨いていかないと、と考えています。
まだ半年にも満たないキャリアで、まだまだな部分が多いのですが、諦めずに頑張っていきたい。
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