昨日の新潟県加茂市の安全のために、自転車に乗らないようにという話には、様々なトコロから反論の声が上がっていてほっとしてる感じです。

回避できる危険と、回避できない危険


この世の中で危険と呼ばれるモノは2種類あります。

一つは、規定通りの対処で回避することが可能な危険。
海外旅行で治安の悪い場所には近づかないとか、機嫌の悪そうな上司には話しかけないとか。
事前に情報を仕入れることで、危機回避が可能です。
君子危うきに近寄らず、のパターン。

もう一つは、どんなに事前対応しようとも完全にはリスクを回避することはできず、現場での対処が必要になる危険。
残念ながら、こちらは世の中にありふれています。
それこそ、路上で自転車に乗ってクルマにひかれる危険なんていうのは、まさにその通りで、これを完全に回避する方法は存在しません。

回避できない危険への対処


これを無理に完全に回避させようというと、自転車に乗らないようにという愚にもつかないお触れを出したりするわけです。
そんなことをすれば、自転車乗りにとどまらず、日常生活で自転車を便利に使っている人達の権利を侵害することになるのは明らかで、それこそ法治国家で実施するようなコトではありません。

本来であれば、加害者側であるクルマの方に規制をかけるべきトコロで、速度制限を加えるとか、そのためのバンプを設置するとか、車道の車線数を減らすか、道路を拡幅して路側帯を広げるなどなど。

一方で、自転車の側でも危険を回避するためにやるべきコトはあります。
正しい交通ルールを知ることと、それを守ることはもちろんですが、それ以上に大切なのは、実際に路上でのクルマ、自転車、歩行者の動きを知ること。
それはビデオや、教習所での座学ではなくて、自分の目と、耳と、それに臭いや、振動などなど、あらゆる五感情報を総合したものとして知らなければなりません。

危険へのセンサーの感度を磨く


人間の危険に関するセンサーというのは、実は意外と高性能です。

例えば、自転車に乗っていて、後ろから追う抜いていくクルマの動きに何となく違和感を感じて、停車して歩道に上がったら、その直ぐ脇でクルマの接触事故が発生する…ということは実際にあり得ます。

この場合、後ろから近づいてくるクルマの動きを直接目で見ることはできませんが、音や振動、場合によっては空気の流れのような情報として収集することができます。
そして、これらの情報を総合してみた場合に、身の危険があるかどうかを、直感的、瞬間的に判断することが人間には可能です。

ただし、その為には日常的に自転車に乗り、路上で収集できる情報を常に肌感覚として知覚し、その情報から通常の状態と危険のありそうな状態を無段階に認識し、その中で危険レベルの閾値を判断できる…そうしたスキルを磨く必要があります。

これは、特別な訓練ではなくて、なるべく安全な状態で自転車に乗ることを心がけていれば誰にでもできるコトです。
本人が、そうと意識しなくても、こうした能力が自然と備わっていきます。
危険に対する生物の本能みたいなものだと自分は考えています。

もちろん、ヒトによってセンサーの感度は個人差もあるでしょうし、判断のスピードや、その判断からすべての危険に対処できるとも限りません。
危険と判断したものの、実際には何も起こらなかったという結果の方が多いかもしれません。
ですが、こうした本当の意味で危険に対応する能力を磨くコトは、生きて行くには絶対に必要なコトです。

磨かれないセンサーは機能しない


ところが、せっかくこうしたセンサーが備わっていても、それを使っていなければ、その感度はどんどん落ちていきます。
それこそ、自転車は危険だから、自転車に乗らないようにという対処をしてしまうのは最悪で、いざ何かの機会に自転車に乗らざる終えないような状況に陥った場合に、もの凄く怖い思いをするはず。
最悪の場合は、大きな事故を引き起こしかねません。
今まで安全のためと思ってやってきたことが、より大きな危険を生み出すコトになることを実感するはずです。

まとめ


これは、生活のあらゆる場面において言えるコトです。
特に子供に対して、危険だからという理由で、何でも禁止してしまうことは、大人側の怠慢です。
きちんと危険に対する対処方法を身につけさせる責任があるはずです。

世の中には、あらゆる場面で、あらゆる危険があるはずなのに、それを知らないまま大きくなってしまった子供は不幸です。
本来であれば、子供の頃から少しずつ、危険に対するセンサーを磨き、それに対処する方法を学んでくるはずのものが、全く備えのない状態のまま、親の庇護から離れるわけです。
それは、唯一人で、とてつもなく危険な状態に放り込まれるわけで、非常に危なっかしい状態であると言えます。

危険に対するセンサーの感度を磨くコト。
見知した危険への対処方法を覚えるコト。

これは、人間本来が持っている危機回避能力を向上させることで、あらゆる場面で安全を確保するための最良の方法と言えるはずです。

以上。
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