今、市民にとって行政が、とてつもなく距離の遠い存在になりつつあります。
さまざまな経緯に由来しますし、良い悪いの話ではないですが、これから(これまでも)の衰退する地方自治体においてこれはかなり、まずい状況です。

行政との関わりを断つ市民


選挙には行かない。
社会活動には関わらない。
税金は払わない(払えない)。
年金も払わない(払えない)。
健康保険には加入しない(加入料を払えない)。

こうした動きが目立ち始めている中で、上から目線で「最近のXXはダメだ、俺が若い頃は…」という話をして、ことさら政治や行政に関わる”べき論”を展開される方がいますが、間違いです。

その「最近のXX」な人たちは、自分の中のカネとリソースを何所に配分するべきかを検討した結果、あえて行政に配分していないだけなのです。
つまり、市民が、行政は価値がないものとして切り捨てにかかっていると考えるのが正しい見方と言えます。

行政偏重が進みすぎた地方自治体


戦後において、公共事業を通じて中央のカネを地方に回す政策がとられたこともあって、地方は、公共事業のカネの出口として、ことさらお役所とお役者を中心に廻ってきましたが、この仕組みも、ここらが限界です。

カネを回す国自体に1,000兆円を超える膨大な借金がある上に、国家予算の半分が借金という状況で、いつまでも地方にカネを回してくれるという思考ができるのは、よほど脳天気な考え方です。
近い将来、間違いなく、大幅減額や、地域を選んだ絞り込みが行われます。

今や、地方自治体の収入に占める市民の税収は予算の1/3程度まで落ち込んでいて、不足分は国に持ってもらってる状況ですので、これが減らされれば、役人の給与を払うのにも苦慮する状況になるはず。

この時に、それを支える市民がいない、市民に切り捨てられた行政は、もはや活動を停止する以外に道がなくなります。
これは、まずい。

カネ以外で、民間を惹きつける行政


正直、民間の中で、地方の政治家やお役人の話をすると、評判のいい話は聞きません。
これじゃダメだとか、もっとこうするべきだ、とか。
それでも、なにかにと政治家やお役人の話に従っているのは、既得権益や補助金の出口となっているから。
カネの出口になっているからです。

半ば慣習になっている、その動きは、もう市民の関心を引きません。
市民の関心がなくなった行政は、活動する意味すら持たないはず。
もっと市民の関心を惹きつける動きをするべきです。

もう、本業であるはずの教育、福祉、インフラ整備のような事業を除いて、行政がカネを出す理由はありません。
産業も、観光も、雇用も、企業誘致も、ずーっと行政がカネを出して、旗をふって、全く結果が出なかった領域に関しては撤退するべきです。

市民にとって必要な事業があるのなら、市民が出資し、市民がリソースを割いて運営していくできです。
そこに、補助金をぶら下げて行政が関わっていく理由は全くありません。
行政は、連絡役程度の役回りでいいです。
下手にカネ(補助金)を持ってくると、本来うまく廻るはずの事業すら潰してしまいますから。

仮に、市民の側から何の要望も、必要な事業の提案、出資もないとすれば、その地域は残念ながら、将来の発展の可能性がもう無い地域と考えていいです。
行政は市民の代行者でしかないのですから、市民が何も出来ない、何もしたくないのなら、行政も何もする必要なんかないんです。
「行政が責任を持って…」なんて、ただの妄言です。
ムダに行政に責任を押しつけてきたせいで、ムダな業務に圧殺された行政は、大きくパフォーマンスを落としていることを市民はもっと認識すべきです。

まとめ


今、中央の政治家や、お役人は、地方にもっと補助金を回すようにして、さかんに地方の活性化をアピールしているようですが、こんな補助金に関わるのは、地方の衰退を加速させるようなものです。
ようは自力でカネを稼ぐ力を付けなければいけない地方に、カネを渡して依存を強めた状態にして、最後にはカネの流れを止める。
おそらく、このやり方で、息の根を止められる地方自治体が、今後10年以内にたくさん出てくるのは間違いないところ。
生き残りたかったら、自前で収支を改善していくしかないです。

10年後、そうした状況に陥った時に、その地域が存続できるかどうかは、いかに市民と行政が、カネの話抜きで良好な関係を築けているかにかかっています。

その頃には、戦後から経済成長期を支えてきた世代の方々も、ほとんどアクションをおこせる年ではなくなりますし、下の世代の人間が動ける環境作りを、市民と行政ができてなければ、ほぼ何の抵抗も出来ないまま消滅を迎えるのは間違いです。

国に見捨てられ、市民に見捨てられてたら、もうアウトですよ。

以上。
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