以前、お役所勤めの方に話を伺った時、「役所の仕事の半分は、市民からのクレーム電話の受付だ」ということを聞いたことがあります。
もちろん、実際の仕事量として、そこまで電話にかかりっきりということはないのでしょうが、心理的にはそのぐらいの負担になっている、と考えていいのかと思います。

誰だって他人からのクレームからを受け付けるのは嫌です。
そんなものを延々と聞かされたら、誰だって嫌になるのは当然です。
クレーム電話をかける方は10分とか、その程度の時間なのかもしれないですが、受ける方にしてみればそれが延々と繰り返される。
予算やら、優先順位やらの問題で、状況が変わらなければ、何度でもかかってくるでしょうし、これはホントに精神的負担が大きすます。
まともに考えれば一般の労働条件としても由々しき状況であると言えます。
この状況は、お役所仕事と呼ばれる、お役所特有の仕事ぶりの原因になってるかもしれません。

どんなに努力して業務を遂行し、状況を改善しても、いつまでもクレーム電話が減らないというのは労働意欲のわく環境ではありません。
努力しても、努力しなくても、結局クレーム電話の応対に追われるのなら、別に頑張って仕事をする必要はない、と考えても何ら不自然ではないです。
そもそも、給与は上からのお達しで一から十まで決まってますから、努力の結果を評価されうこともありませんので、これまた労働意欲を掻き立てる状況ではないです。
こうして考えると、そもそもお役所の中の構造と、お役所に対する市民の反応の両方に、公務員の労働意欲をそぐ要素があるのですから、そこに効率的な仕事や、かゆいところに手が届く対応を期待する方が間違ってます。

お役人が、お役所仕事しかしないのは、お役所の中の仕組みと、市民の反応と、両方に原因があると考えるのが妥当です。

自分としては、今の行政は、手を広げすぎていると考えてます。
それは、予算規模云々の話ではなく、本来、手がける必要のない分野まで、行政と担当範囲になってしまっている現状から、何とかするべきだと思います。
もちろん、手がける分野以外のことでも、市民の相談に乗ったり、アドバイスをしたり、というのは必要ですが、責任を持って遂行しなければならない分野はそんなに広くはないはずです。

その上で、市民側も、自分たちの暮らしを支えるのは、自分たちだという認識が必要です。
お役所に要望を出したり、陳情したりというのは、世の中の景気が良くて税収が余りまくっていて使い道に困っていた高度経済成長期だけの特殊な考え方です。
毎年、国の一般会計だけで40兆も借金してる相手に、何を頼むのかは、よく考えるべきです。

その上で、市民からの要望を聞く手段は、形式を整えるべきだと思います。
人件費の高い公務員を電話応対というタスクに縛り付けるシステムは、すぐにでも廃止すべきです。
その意味では、秋田市が今年の除雪の要望電話の受付をコールセンターに委託したのは当然の判断と言っていいかと思います。
この結果が上手くいくようなら、他の市町村、セクションも、どんどん導入すべきです。
それで、お役人の仕事効率が上がって、効率のよい行政運営が実現するようなら安いものです。

もちろん、そうした体制が実現しても、なお仕事の結果が出せないなら、仕事の質を問われるのは仕方がないですので、その意味では公務員の方でも覚悟が必要です。
いずれ、今の状況のままで、お役人のお役所仕事ぶりを批判するのは、市民として卑怯な行為だと思います。
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット