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スポーツ中継におけるドラマティックな演出

スポーツ中継において、その伝え方は二通り。

一つは、そのスポーツ性を全面に押し出して、競技として忠実に伝える方法。
まず、ふつうのスポーツ中継のことです。

もう一つは、そのスポーツの勝敗や優劣にフォーカスするのではなく、選手のバックグラウンドやメンタルにフォーカスをあてて、ドラマ性を重視して伝える方法。

民放によるフィギュアスケート中継は間違いなく後者です。
特にどちらが良いかどうかいう話ではないのですが、スポーツ中継が好きで見ている人にとっては違和感があるのも確か。
もちろん、ドラマ性を語ることでスポーツ観戦が盛り上がることもあるのですが、度を超すと放送局側の意図が透けて見えてきます。

努力をしてきたから。
苦労を重ねたから。
気持ちがこもっているから。

もちろん、その成果としてある程度のレベルに到達することは可能でしょうが、そのスポーツの頂点を目指すような場面において、それらの要素が占めるパーセンテージはめちゃくちゃ低いはず。

途方もない努力と苦労を重ねた選手の結果を、才能と素質に優れた選手が易々と凌駕していくことは、スポーツの世界では普通で、当たり前のコトだったりします。
そして栄光は常に、頂点を得た一人にしか与えられないことも、これまた当たり前のコトだったりします。

「二番じゃダメなんですか」という有名なセリフもありますが、こと、スポーツに関しては二番ではダメです。
唯一、二番であることの意味は、次は一番を目指すというモチベーションを高めることのみです。
徹底的に競技の枠内で競ってこそ、スポーツには意味があるのであって、そこまでの過程や努力というのは考慮されないのがスポーツの本質だとは思っています。
誰もが報われるような仕組みではないと思っています。

とはいえ、ある程度の選手の情報があった方が観戦自体を面白くするのは確かなので、そこはバランスを取るべきなんでしょうが、ここ数年のフィギュアスケートの中継に関しては、明らかに度を越していると感じています。
日本人選手の中継に偏重して、空いた時間を前の大会のビデオやインタビューで埋めるような手法は、スポーツの一瞬の煌めきを求めてる人にとっては退屈で仕方ないです。

そもそも、演出などしなくてもスポーツ競技の中にはドラマ性に溢れていています。
そのドラマ性を感じられるかどうかは、少なくともその競技に精通しないといけなくて、民放のスポーツ中継に関わる人たちは、それがまどろっこしいんでしょうね。
なので、自分たちで作ったドラマでスポーツを脚色するような演出をしてしまう、と。
これでは、その競技の文化は育たないのですが。

個別のドラマ性、人間性にスポットをあてるのであれば、ドキュメンタリー番組で語ってくれた方が、より深みのある掘り下げや表現が可能のように思います。
中途半場にドラマ性を盛り上げてしまうと、「勝つ」ことの意味自体が歪んで伝わらないかと、余計な心配までしてしまいます。

追記:
とまぁ、そんなコトを思うのも、数年前までフィギュアスケートの中継ってJSPORTSがすべて中継していて、男女フリーだけでなく、ペアも、アイスダンスも、1日4時間以上かけて中継してたのを見ていたことがあるので、そのギャップがあまりに目立ってきたというのはあります。
やってる選手にしても、努力や苦労を見てほしいと思ってるわけではないでしょうし、結果がすべてという世界で生きることの喜びだったあるんだろうしなぁ…という感じ。


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Published in 未分類

2 Comments

  1. T.KASHI

     度々お邪魔します。
    フィギュアスケート見てしまうのですけどね。ホント最近は過剰な演出があって食傷気味です。というか、浅田真央選手は、長年注目され続けていて痛々しく見えます。あの演技後のインタビューというのも、良い演技が出来なかった時など、明らかにカメラの前に出たくないであろう選手にまでインタビューがあるのも、気の毒に見えます。
     大相撲だって、金星あげた時とか勝ち越ししたとき以外はカメラの前には立たなくてよいでしょう。そう思うとフィギュアスケートの選手って凄い精神力だなと感心します。みなさんインタビューの時は開口一番「そうですね。」と話し出すという訓練も受けているのかな?なんて思います。

     あのエキシビジョンというのもね、今回は高橋選手は怪我をしているのに小塚選手への埋め合わせでしょうか・・・やらなくてもいいから、早く治療に専念して欲しいと思いました。って、やはり見てるんですけどね(^0^;)

    • ginncha

      いつもありがとうございます。
      フィギュアスケートに限らず、トップのスポーツ選手であればインタビューのトレーニングは受けいるんじゃないかと思います。
      ぶしつけなように感じる日本のマスコミですが、海外だともっとあからさまに感情を逆なでするようなインタビュアーもいるらしいですので。
      そこまで、上手く受け流せてこそ一流の証とみる向きもあるようですし、実際、そのへんおセオリーがないと本人がつらいでしょうし。

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