最近、少しおとなしくなった感じですが、ちょっと前までは、衰退する地方が再び発展するには、眠っているお宝であるとか、利用されていない地域資源とか、それを探し出して活用することが大事です、というお話があちこちにありました。

この考え方は、間違っていると思った方がいいです。
少なくとも、地元の人が何もないと言ってるのなら、何もないと言うのが正解です。

現金化が難しいお宝、地域資源


というのも、お宝だの、地域資源だのと言われるものは、現金化の難しいモノがほとんど。
石油や貴金属のように、資源屋さんが、そのままの形でお金を払って持って行ってくれるようなものでは決して無いです。

ところが、お宝・地位資源論者さん達(たいていはコンサルが中心)は、いかにもこれは貴重な資源であって、これをもっとピーアールすれば、地域が活気づくのは間違いないから、ぜひやりなさい、という話をする。
しかし、そうした資源は、地元の歴史や文化を語る上では重要ではあるものの、たいていは余所の地域にも同様に残っています。
これを、そのままピーアールしたところで、余所にも同じようなものがあれば、それで外からヒトがやってくることがないのは当然です。

それそのままでは、お宝も、地位資源も何もないの一緒です。
それを活用するには、地元の人の工夫が必要になります。

磨くコト、組み立てるコト、工夫するコト


それを余所から来た人に見てもらって満足してもらうためには、もっともっと知恵を絞らないとダメです。
何所でも、誰でも、同じように実行できるようなやり方では、絶対に無理です。
余所の観光ツアーでやってるような、普通のやり方は、あえて全削除するくらいの考え方で望む必要があります。

旅行代理店に頼んで、観光バスのコースに組み入れてもらったって、10分もよったら次の場所に行ってしまいます。
残されるのは、ゴミと排ガスぐらいで、地域の住民には何のリターンもありません。

必要なのは、10分の滞在を、いかに半日、さらには一日、一泊の滞在にすることができるかの工夫。
来てくれたヒトたちをいかに満足させて、いかにお金をいただくかの発想。

この2点において、新しい形を作れなければ、何の意味もないということです。

正解も近道もなく、独自の方法が必要


そして、このやり方には正解も、近道もありません。
余所の成功事例とか、たいてい役には立ちません。
余所には余所の適したやり方がありますし、自分たちには自分たちの適したやり方がありますし、ほとんど互換性はないです。
スタートして、いきなり上手くいくコトは極めて稀ですし、これは何度も試行錯誤を繰り返し、小さな失敗から得た教訓を次に活かし、少しずつ積み上げていくしか方法がありません。

これを進めるにあたっては必要なモノは、地域の中、もしくは地域に関わるヒトの中に、こうした進め方でコトを進めていこうというという意思があること。
別に10人も、20人も必要ないです。
ほんの2,3人、気合いさえあれば1人でだって可能です。

逆に言えば、地域の中にそうしたヒトがおらず、行政とコンサル頼みになるようではどうにもならず、ただ税金がコンサルに流れていうだけで終わりです。
コンサルは、全国どこにでもある事例を数多く知ってはいますが、あなたの地域の中にある、本当に価値のあるものに関しては何も知らないのですから。

北浦で開催したサイクルイベント


先日、自分が主催するサイクルイベント(詳細はこちらのリンクから)を男鹿半島の北浦で開催しました。
男鹿で最も歴史のある港町である北浦ですが、近年は衰退の一途。

今回は、自転車を使って、地域の歴史ある建物や巨木、冬はハタハタ漁で賑わう広々とした漁港、それを地元の人に自転車を使って案内していただきました。
天気も季節も良く、会場になったお寺には一千本の紫陽花が咲き誇り、地元のお菓子屋さんでお菓子を買い込み、近くの喫茶店のマスターにアイスコーヒーをドリップしていただき、最後は座禅を組んでもらいました。

およそ半日の滞在時間で、地元の文化にも触れてもらい、地元のお店にもよってもらい、地元のヒトとの縁を深められたと思っています。

すべて旅行代理店も、コンサルも、お役人も関係ないです。
自分と、案内してくれた地元の方の二人だけで考えて、数人の仲間に手伝ってもらって開催しました。
反省点もありますし(今回は参加者が少なめでした…)、続けていくために改善しなければならない点は多々ありますが、それに対応していくことが出来れば、そこから新しい産業の芽が生まれると思っています。

まとめ


かつての観光は、旅行代理店と、コンサルと、観光施設との間だけで分業化された独占産業でした。
これは、世の中の景気が良く、そこに価値があると思って旅行をするヒトが大勢いた時代に適したやり方です。
この方式は、あと数年、団塊の世代が高齢化で旅行に出るコトが出来なくなれば急激に数を減らすはず。
その後は、個人のお客さんが、数人単位で、自分たちで移動手段を確保しながら楽しむスタイルが、数の上でも主流になります。

その時に、こうした余所から来た人を、自分たち自らがもてなすことができる地域と、それが出来ない地域では、はっきりと分かれるはずです。
その時が来てからやろうと思っても、そこには試行錯誤の積み重ねが不可欠ですから、急にはできません。
今から動いて、ノウハウを貯め、実績を積み、まわりの理解を得ながら進めていくためには、一刻も早く動き出す必要があります。

それが出来なければ、お宝も、地域資源も何もないのと一緒ですので、くれぐれも勘違いなさらないように。

以上。
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