世間一般では6次産業化、6次産業化とお呪いとように繰り返されてますが、へそ曲がりな筆者は1次(生産)だけもよいでないのに、いきなり6次(生産+加工+販売)とか、ちょっと無理じゃない…と思ったりします。
4次くらいでちょうどいいんじゃないの、とか思います。
生産(1次)+販売(3次)。
まずは、この2つをきちんと回していけなければ、6次産業なんて夢のまた夢。

1次産業がベースの話ではありますが、実際、そのほかのあらゆる産業や活動にも同じ事がいえると思ってます。

売り方が何より大事


実際、何より大事なのは販売(3次)です。

誰に売るのか。
誰が買ってくれるのか。
何が求められているのか。
どのような工夫をして売るのか。

このあたりを無視していては、生産(1次)も加工(2次)も何を作るべきかすら判断できないはず。
売れない在庫の山が積み上がるばかり。

モノが不足してる時代なら、生産すれば何でも高く買ってくれたんでしょうが、今は何かしら他とは違う特色が無ければ、誰も選んで買ってはくれません。
選ばれなかったモノは、後は安売りするしかありませんから、輸入品を含めた価格競争に晒され、分の悪い生存競争に追い込まれます。

すでに、買い手を確保しない限り生産しないという手法をとっているところもありますし、毎年同じように買ってくれる固定客に合わせて生産を行っているところもあります。

余所の業界では、買い手のない余剰在庫を抱えるのは、会社の財務を圧迫する大きな要因として可能な限り生産から販売のラグを小さくして、手元に抱える在庫を可能な限り減らすのが通常です。
1次産業だけ例外というコトはないです。
全く同じ手法は取れないにしても、多くの独自販売先を確保して、在庫を減らすための努力はもっとするべき。

そうでなければ、今年のコメのように、昨年の過剰在庫のせいで新米の値段が暴落したりするわけです。
これは避けるためには、なるべく高い値段で買ってくれる販売先を、生産する前に確保するしかないわけです。

もっといいモノは作れないか?


生産(1次)そのものについても、もっと磨き上げるコトができるんじゃないの、というのはあります。

例えば、「あきたこまち」は凄く美味しいお米ですし、自分の家でもずっと地元の農家さんから直接「あきたこまち」を買って美味しく食べていますが、誕生からすでに30年が経過した古参のブランドであることも確か。

モノの価値や評価というのは、あくまで相対的なモノですので、20年前は、唯一「あきたこまち」でしか実現できなかった味や品質が、今では余所の多くのブランド米でも実現されてます。

30年間、変わらぬ品質を維持できたとしても、余所が追いついて追い越していく状況の中では、買い手にとって「あきたこまち」の相対的な価値は下がっているのは事実です。

特定産地として品質を差別化して余所との違いをアピールするか、はたまた新品種にチャレンジするか。
やり方はともかく、余所との相対的な価値を上げていかないと、売れるモノも売れないはず。
モノ自体の魅力と、余所と比較した場合の価値がイコールではない以上、余所よりも価値のあるものを作れなければ、前述の販売でも大苦戦するのは必至です。

今現在でも生産者が努力して、苦労してモノを作り上げていることは間違いないでしょうが、その方向性には少し疑問もあります。
売れるモノづくりの方向と、作り手側の生産努力の方向にズレがあるように思います。
生産と販売がもっと密着することで、そのズレを解消できていく気もします。

まとめ


たまたま6次産業の話からふってますが、他のあらゆる産業や活動でも一緒です。

・作り出すモノ自体の価値を上げること。
・他人任せにせずに、どうやってモノを販売するかに取り組むこと。

この2つがなければ、モノは売れませんし、モノが売れなければ生きていくコトはできません。

衰退する地方の中でも、地方にはもともと良いモノがあるのだから、これを情報発信すれば必ず売れるという論をするヒトも多いですが、そーではないです。

良いモノが、余所とくらべて価値があるモノとは限りません。
そればかりか、地方のどこにでもあるモノであれば、その地域では大事で貴重なモノであっても、余所からみれば、どこにでもある価値のないモノと一緒と判断される方が多いです。

余所とは違う価値を持つところまで磨き上げる努力が必要です。
そこまで価値を磨き上げるコトで、余所への情報発信が初めて販売につながります。

ここはひとつ、余所が6次産業化、6次産業化と殺到してる中、生産と販売に特化した4次産業化あたりで勝負してみるのは如何でしょうか?

追記:
別に6次産業化を否定するわけじゃないです。
生産、加工、販売で上手く回せるトコロは、それで行けばいいと思います。
ただ、生産と販売がうまくいけば、それこそ余所と似たようなモノを作るための加工にリソースをさく必要は無いんじゃないかというお話。

以上。
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