そもそも、この記事のタイトルからして変ですね。
観光客を「連れてくる」っていう表現自体が、もう主体者が誰か曖昧です。

不条理な観光協会努力不足論


観光施設というものは、お客さんに来ていただいて、料金を頂き、それを原資にして運営していくものです。
他の一般的な企業と何ら変わりありません。
お客さんに選んでもらえるからこそ、運営できるわけです。
これは水族館だろうと、神社だろうと、温泉だろうと、旅館だろうと、変わりありません。

ところが、衰退著しい田舎の観光地では、全くおかしな話がまかり通っているようで、観光客を「連れてこれない」のは、観光協会や役所(観光課など)の努力が足りないとするお話があるようです。
もっと、ちゃんと宣伝すれば、もっとたくさん観光客が来て、観光施設の集客・売上げが確保できるのに、まったくもって役人はけしからん、という論調でしょうか。

既存の観光バスツアー


昭和の昔からある、旅行代理店による観光バスツアー、パックツアーというやつ。
これに関しては、もしかしたら努力不足論にも一理あるのかもしれません。
基本、これは旅行代理店にお願いして、ツアーを組んで、募集をしてもらわないと数は増やせません。
これを一軒一軒の観光施設が、個別に行くよりは、代表して観光協会の方々が行く方が効率はいいです。
ここに努力の余地はあるかもしれません。

ただし、この方法は大昔から行われてきて、余所の地域でも当然行われてるわけですから、基本競争の激しい方法です。
余所よりも、魅力的な観光ツアーが組めるようなら旅行代理店も乗り気になるでしょうが、30年前から大差ない(もしくは衰退してる)観光地に、大々的にツアーを組もうとするわけはありませんので、この点において観光協会努力不足論は的を外しています。

実際のトコロ、観光ツアーで来られるような方々は、次は別の地域の観光ツアーに申し込まれる可能性が高いことを考えると、リピーター獲得という点においても効果は低いです。

個人客の取り込み


これに関して言えば、観光協会もお役所も、ほとんど影響力を持ちません。
多くの個人客は、自前の移動手段(マイカー、レンタカーなど)を持って、雑誌やインターネットを使って事前に情報を調べて行動を決定します。
どんなにツアーを募集しようが、宣伝広告に力を入れようが、さほどの効果はないのです。

個人客を取り込むためには、観光施設独自の工夫による魅力アップが不可欠です。
というか、それをしてないところには個人客は来ません。

宣伝一つにしても、今はホームページなり、口コミなり、SNSなりと小さな施設であっても情報を拡散するためのツールがたくさんあります。
そうしたツールを使いこなせるかどうかも、施設を運営するにあたっての欠かせないスキルです。
デザインや、機能性も大事ですが、問題はその情報の中身です。
それがなければ、誰もわざわざこんな辺境みたいなところに遊びに来ようと思いません。

そうして来てくれた個人客の方に、「また来たい」と思わせることができれば、しめたもので、リピーターになってくれる可能性が高まると言えます。

おそらく、10年後の田舎の観光というのは、そういうスタイルが主流になっていくでしょうし、それ以外の古いスタイルは、今の団塊世代の方々が高齢化するに合わせて急速に衰退していくはず。

その意味で、個人客の比率が年々に高まってる状況を考えるに、やはり観光協会努力不足論は、既存の観光施設の言い訳にしか聞こえません。

赤字の施設は存続できません


男鹿市内の観光施設の状況はジリ貧です。
昔からやっている大きな施設で、黒字を出せている施設は如何ほどでしょうか?
赤字続きの施設が継続できないのは、経済的に当然です。

観光協会であれば協会費でしょうし、お役所であれば税金でしょうし、それぞれの施設からのカネを元にして活動原資を得ている以上、黒字を出せる施設が少なければ、それらの組織に活動原資が少なく、思い切った方法がとれないのも当然。
そもそも、個人客に対しては、もともと影響力はないですし。
その状況で、集客の責任を観光協会などに押しつけるのは、かなり間違ってます。

まとめ


観光客が来ないのは、観光施設に魅力がないから。
それ以上でも、それ以下でもありません。

今、日本中の観光協会やら、お役所やらが、観光に力を入れているでしょうが、その中でも生き残れる地域はそれほど多くはありません。
そして、今後観光客の中心になっていく若い世代の情報仕入れ先は、旅行代理店でも、観光協会でも、お役所でもありません。

それぞれの施設がダイレクトに観光客へのアプローチが出来るようにならないと、ますます状況が悪化するのは間違いなく。

この先も観光業を続けたい、観光に携わりたいと思っているのであれば、自分たち独自の企画やサービスを充実させた上で、インターネットをはじめとしたダイレクトなアプローチのスキルを磨くしかないのは間違いないです。
外部の組織や、コンサルに頼ったって、たいした結果が出せないのは、もう経験的におわかりだと思いますし。

観光客を連れてこれるのは「自分たち」だけ、です。

以上。
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